November 26, 2009

あなたはたずねている。
「どうすればより高い精神から助けを得ることができますか?」

今この瞬間に助けは来ている! 
だがあなたは、故意に眼を閉じてきた。
誰かがあなたの眼を開けようとしても、全力でそれに抵抗している。 
「これでいいのです――暗闇、罪、悪魔、それらはあって当たり前なのです」 

たとえば、フロイトは偉大な革命をもたらした。
「人間の行動、思考の90%は性的だ」ということを明らかにした功績は偉大だ。
それは大いなる第一歩だった。
ところが、マインドが低い次元の力にのみ開いているから、
すべては誤った方向に進んでしまった。

私たちは言う「そうです。人は性を中心にしています。それは人間の本来の姿です」 
そこで、人の営みの90%が性を中心にしていることが受け容れられたばかりか、
残りの10%もそれに加えられてしまった。

低い次元にはふたつの可能性がある。
ひとつは、セックスと闘い、倒錯する。
もうひとつは、みずからの本能の犠牲になりセックスとともに流れてゆくことだ。

仏陀、マハヴィーラ、キリストはセックス・エネルギーを変容しようと試みた。
覚えておくがいい。抑圧するのではなく、『変容』するのだ。

だが、低い次元にしか開いていない人びとは
『変容』ではなく『抑圧』と解釈した。
その結果は倒錯となった。

そこから人類が脱却するためには、フロイトのような人間の出現が必要だった。
セックスは自然だということを強調しなければならなかった。
そして、人びとはもう一方の極端に向かいはじめた。

低い次元では、他方の極端に容易に移ることができる。
低い次元の開口は、『抑圧』と『耽溺』という二通りの方法だけで機能する。
両者は、両極端のように見えるが、実はそうではない。
両者はきわめて秘密裡に、密かに内通している友のように互いに助け合う。
あまりに耽溺してしまった人は、自動的に対極に引かれる。その逆も同じだ。

そのようにして、第三の可能性である『エネルギーの変容』は、
閉ざされたまま残される。

この両極端は水平だ。そして『エネルギーの変換』、第三の可能性は垂直だ。
『抑圧』も『耽溺』もしなければ、エネルギーは水平面を動くことができず、
垂直に動きはじめる。
この垂直方向の動きが『変容』だ。
この垂直方向の動きによって、あなたは高い次元の力に開くことができる。

私が、低い次元に対して閉じなさいと言うのは、
闘うのではなく気づいていなさい、という意味だ。
闘えば低い次元にとどまり、倒錯してしまう。それはさらに悪い。

誰かがあなたに腹を立てている時は、閉じているがいい。
反応してはならない。ただ気づいていなさい。
状況全体を把握し、公平に吟味し、すべての点について考慮しなさい。

まず、相手が正しいかまちがっているかを考慮するがいい。
相手が正しければ彼に感謝するがいい。
相手がまちがっている場合は、それに反応する必要はない。それは相手の問題だ。

「誰かの侮辱に対してあなたが反応するのは、相手が正しいと無意識に感じているからだ」
というのは、非常に深い心理学的な洞察だ。
相手が完全にまちがっている時、あなたは笑ってしまうだろう。

誰かが「お前は無能だ」と言う時、
どこかに無能さを感じている時だけ、あなたは怒りを感じる。
言われたことが内側に秘められた何かを打たないかぎり、反応は起こらない。
だから、全体を吟味し、相手が正しければ感謝するがいい。

近代心理学は、マインドはふたつに分割されていると指摘している。
副次的な部分が顕在意識で、主な部分が潜在意識だ。

人は自分の潜在意識に気づかない。
だが、彼に近づく人は誰でも、それに気づきはじめる。
なぜならそれは、彼の行動、仕草、ことばに表れるからだ。
あなたは自分の深いところの態度、願望、抑圧を見ることができないが、
他者はそれを見ることができる。

誰かがあなたに腹を立てている時は、その状況を吟味するがいい。
相手が正しければ、自分の無意識な部分に気づくかもしれない。
部分的に正しかったり、間違ったりしているかもしれない。
正しい部分に対して感謝し、まちがっている部分については忘れるがいい。
相手が完全にまちがっている場合は、あなたではなく相手の問題だ。 

低い次元に開いてはならないと言う時は「分析」「観察」「気づき」を意図している。
『抑圧』ではない。

抑圧すれば、高い次元に開くことはできない。
セックスを抑圧すれば、その抑圧から休暇を取ることはできない。
一瞬のすきでも、蛇はさらに強く生き生きと蘇る。
抑圧によって死ぬものは何もない。
逆に、抑圧されていたものはさらに強く蘇生する。

多くの人びとが低い次元に閉じないまま、高い次元に開こうと試みている。
そして、内側に緊張と衝突をつくり出している。
というのは、低い次元に閉じないかぎり、高い次元は開くことができないからだ。

まず、低い次元を閉じるためにあらゆる努力を意識的にするがいい。
そうすれば、時になんの努力もなく、異なった次元に気づくことが起こる。
ただ木陰に坐っているだけで、あなたは別の世界に入ってしまうこともある。

仏陀が木陰に坐っている図を見たことがあるだろう。
彼は何もしていない。ただ待っている。低い次元は閉じられた。
彼はエネルギーが充分に蓄積され、高い次元が開かれる瞬間を待っている。
多くの古い瞑想方法は、これだけのためにある。

仏陀は、低い次元を閉じることに関して多くを語った。
基本になるテクニックは「正見」だ。気づき、覚醒、観照、観察と同じだ。
仏陀は言う。
「腹が立っている時は、自分が腹が立っていることに気づいていなさい。」

それは内面における錬金術的な真実だ。
つまり、注意深くあれば、腹を立てることはできない。
腹を立てるか、注意深くあるかのどちらかだ。
怒りが起こるためには、まず無意識でなければならないからだ。
気づいていない時だけ腹を立てることができる。

低い次元に閉じていれば、高い次元は開くだろう。
そして、高い次元が開けば、多くの現象と接触することができる。
その中のひとつが、あなたがたずねていることだ。
より高い精神と交流することだ。

存在においては、何ひとつ失われていない。
仏陀はつねに存在している。キリストはつねに存在している。
高い次元に開いている人びとにとって、キリストは歴史的人物ではない。
彼は依然として存在している。
時間が消滅し、あなたは実存と対面する。

仏陀、マハヴィーラ、クリシュナは、肉体ではない。
彼らはもはや無形なるもの、永遠なるものだ。
だから、いつでも彼らとともにいることができる。
高い次元に開いていることが必要なだけだ。
なぜならその時、時間は消滅するからだ。

時空は低い次元に属する現象だ。
アインシュタインは、時間は空間の第4の次元だと言っている。
彼はそれを時空間と名付けた。

高い次元に開いていれば、非時間的、非空間的な世界に入ってゆく。
完全にちがった世界があなたの前に現われる。
高い次元と深い交流が起こる時、あなたは存在しない。

高い次元にとって、あなたは消滅する。
低い次元にとって、あなたは存在する。
これが、あなたが低い次元にとどまろうとする理由だ。

エゴ、自我、「私」という存在そのものが低い次元に属している。
高い次元に開いている時、あなたは存在しない。
あなたはただの楽器になる……。

あなたが直面する困難はただひとつ。あなたの古い習慣だ。
古い習慣は機械的になる。

心理学者たちは、マインドはロボットのようなものだと言う。
自分が身につけたことを、ロボットに与える。
そして、ロボットはそれを実行する。
一度与えればロボットは実行する。あなたは休んでいてもかまわない。
日常生活に関するかぎり、ロボットは便利だ。
だが高い次元のものごとに関しては、このロボットが問題になる。

いつ誰が自分を侮辱するか、あなたが意識的に気をつけていなくても、
ロボットはいつ腹を立てるかを心得ている。
ロボットがすべての面倒を見てくれる。
ロボットは血液に毒素を注入し、闘う準備ができてしまう。それは機械的だ。

夫と妻が交わす愛は、機械的な現象になってしまった。
いかなる気づきも必要ない。ロボットが同じことをくり返す。
そのような微妙な現象を、ロボットの支配下に置くべきではない。

スピリチュアルなプロセスに関するかぎり、ロボットが唯一の問題だ。
主導権を握りなさい。
自動的になってしまったことに気づいていなさい。
そうすれば、次第に低い次元に対する開口は閉じてゆくだろう。
高い次元が開いた時は、ほかに何もする必要はない。
すべては高い次元があなたを通して行なってくれる。

低い次元に対しては、すべきことがある。
高い次元に対しては、明け渡すだけだ――あなたは存在しない。

私たちが「仏陀」と言う時、もはやゴータマ・シッダールタではなく
高い次元の存在が主導権を握ったことを意味している。

ギータに記されているアルジュナとクリシュナとの間の葛藤は、
アルジュナが自分自身でいようとしたことにある。
アルジュナは自分自身で戦うか戦わないかを決めようとした。
彼は低い次元に基づいて決めようとしていた。
アルジュナは高い次元に開くことを拒んでいる。

クリシュナは主張した。
「低い次元に閉じ、高い次元に開くがいい。
そうすれば、あなたの側で決断する必要はない。高い次元が決断を下す。
高い次元に明け渡すがいい」

まず低い次元に閉じ、
そして高い次元のものを感じる時はいつでも、高い次元に明け渡すがいい。
あなたが高い次元のものを感じる時、それを信頼するがいい。
低い次元のものを感じる時は、けっして信じてはならない。
それを信頼してはならない。
それに対して閉じているがいい。
そうすれば、あなた自身が高い次元への掛け橋となる。